#45【一口話】浮世絵には一点物がある!
みなさん、こんにちは。
小学館スクウェアのエマと、こてつです。
おかげさまで、つぶやきも今回で3年目を迎えました!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2025年最初のつぶやきは浮世絵についてです。
NHKの大河ドラマ「べらぼう」が始まりましたね。
主人公の蔦屋重三郎は、「江戸の出版王」にまで上りつめましたが、
彼が興した版元には、かの有名な浮世絵師・喜多川歌麿や葛飾北斎などが所属していたそうです。

浮世絵とは、主に江戸時代に盛んだった、その時代の様子を描いた風俗画のことをいいます。
一般的に知られている有名な浮世絵の多くは「浮世絵版画」といい、
絵師が描いた下絵をもとに、彫師(ほりし)が木の版に絵を彫り、更に摺師(すりし)が紙や布にその木版画を摺っています。
できあがるまでに複数の職人による作業を経ている、というのが驚きですよね。

これに対して実は、「肉筆浮世絵」と呼ばれる、絵師が紙や布に直筆で描く、一点物の浮世絵があるのです。
個人的な目的で依頼されることが多く、同じものはひとつとしてないため希少価値が高くなります。
代表的な作品には菱川師宣の「見返り美人図」などがありますが、
一点物は公開される機会が少ないため、肉筆浮世絵には知る人ぞ知る作品が多いのです。

肉筆浮世絵―美の競艶 シカゴ ウェストンコレクション』では
喜多川歌麿や葛飾北斎など、様々な浮世絵師の肉筆浮世絵を紹介しているので
気になる方はぜひチェックしてみてください。

白い犬と茶色い犬が「日本の浮世絵は当時の海外の画家にも影響を与えたんだって!」「あのゴッホも浮世絵を集めていたんだね!」と話している。

版画では職人の技を、肉筆では絵師直筆の筆遣いを感じることができるので
それぞれの違いを楽しみながら浮世絵を鑑賞するのも楽しそうですね。

☆次回は、1月28日(火)更新予定です。
それでは、またお会いしましょう。