#7【本の仕組み】奥付ってなんだろう?
こんにちは!

小学館スクウェアのエマと、こてつです。
6月に入り、梅雨の季節がやってきましたね。

みなさんは雨の日をどのように過ごしていますか?
ゆっくりと読書をされる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は日本で発行される書籍の本文の最後や巻末にある「奥付(おくづけ)」と呼ばれるページをご紹介します。

 

「『鬼平犯科帳』細見」より引用)

 

この奥付には、書名や著者名、発行日、発行者、その本の権利など、重要な情報が記載されています。
いわば「身分証明書」のようなものなのです。
奥付が設定された背景は、次の通りです。

法的に定められたのは、江戸幕府が1722年(享保7)12月、5か条からなる出版取締令を公布したときに始まる。(中略)これが明治新政府の出版条例(1869)に受け継がれたが、記載箇所や形式についての指示はなかった。出版法(1893)になって「文書図画ノ末尾」になり、記載の形式もしだいに整えられてきた。出版法は1949年(昭和24)5月に廃止され、現在は奥付についての法的規制はなくなった。しかし、書誌的事項を表す重要な箇所になっていることから、そのまま踏襲されている。

(小学館『日本大百科全書』より抜粋)

書誌情報を1か所にまとめることで、その本の責任の所在を明らかにしたのですね。
ちなみに、海外の本は巻頭に表示されています。また、電子書籍にも奥付はあります。

出版あるあるですが、本の制作に携わっている人は、本を手に取る際、まず最初に奥付を見てしまう傾向があります。
何刷なのか、どの会社で印刷されたのか、装丁デザインは誰なのかなど、気になってしまうものなのです(笑)。
みなさんも、お手元の本の奥付をチェックしてみてください。

では、次回またお会いしましょう。